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2017年に登録された世界遺産より

こんにちは!チームWHAです。毎年この時期になるとどんな世界遺産が増えるのか楽しみです!作家のメモとしても使うので、2017年に新しく登録された世界遺産をこちらに記録しておきます。新しく世界遺産になった場所は、文化遺産18ヶ所、自然遺産3ヶ所の合計21ヶ所です。登録範囲の拡張などが行われた場所は4ヶ所ありました。日本からは沖ノ島が加わりましたね!全ての世界遺産を合算すると1073ヶ所になりました。おめでとうございます。

2017年世界遺産になった沖ノ島のイラスト

ーー文化遺産(18ヶ所)ーー

●アフロディシアス_ トルコ_Aphrodisias_ Turkey

2017年登録の世界遺産より | アフロディシアス_ トルコ ​Aphrodisias_ Turkey | 松田光一の世界遺産アート

_ 2017_ Criteria: (ii)(iii)(iv)(vi)_ Property : 152.25 ha_ Buffer zone: 1,040.57 ha_ Ref: 1519

アフロディシアスはアイドゥン県に残る紀元前3世紀から前2世紀に駆けて建設された神殿や都市の遺跡群で、最終的に14世紀に放棄された。ICOMOSは価値の証明自体が不十分などとして「登録延期」を勧告した。

●アスマラ : アフリカのモダニズム都市_ エリトリア_Asmara: a Modernist City of Africa_ Eritrea

アスマラ : アフリカのモダニズム都市_ エリトリア | 松田光一の世界遺産アート

N15 20 7 E38 56 9_ 2017_ Criteria: (ii)(iv)_ Property : 481 ha_ Buffer zone: 1,203 ha_ Ref: 1550

エリトリアの首都アスマラは、19世紀末に進出してきたイタリアの植民地(イタリア領エリトリア)の首都となり、ヨーロッパ風の街並みが発達した。ICOMOSは20世紀アフリカにおけるモダニズム建築および都市計画の優れた例証として「登録」を勧告し、あわせて登録名の形容部分に不定冠詞を追加することを勧めた。登録名はその勧告通りになった。

●スヴィヤジツクの集落島の生神女就寝大聖堂_ ロシア_Assumption Cathedral and Monastery of the town-island of Sviyazhsk_ Russian Federation

Assumption Cathedral and Monastery of the town-island of Sviyazhsk | 松田光一の世界遺産アート

N55 46 13 E48 39 10_ 2017_ Criteria: (ii)(iv)_ Property : 3.25 ha_ Buffer zone: 11,563.9 ha_ Ref: 1525

「スヴィヤジツクの歴史的・建築的・自然的・景観的複合体」は第37回世界遺産委員会で、文化・自然の両面で不登録勧告を受けて取り下げられた。今回はその大聖堂に絞っての再推薦であり、ICOMOSからは「登録」を勧告されたが、登録名は周囲の生神女就寝修道院 (Свияжский Успенский монастырь) も含めた「スヴィヤジツクの集落島の生神女就寝大聖堂と修道院」とすべきことも付帯的に勧告された。勧告通り、修道院も含めた登録となった。

●最古の氷河期芸術のある洞窟群_ ドイツ_Caves and Ice Age Art in the Swabian Jura_ Germany

Caves and Ice Age Art in the Swabian Jura_ Germany | 松田光一の世界遺産アート

2017_ Criteria: (iii)_ Property : 462.1 ha_ Buffer zone: 1,158.7 ha_ Ref: 1527

正式勧告前にICOMOSの意見を踏まえ、推薦名が「シュヴァーベンジュラの洞窟群と氷河期芸術」[原語 9]に変更された[57]。構成資産はバーデン=ヴュルテンベルク州の2つの河谷の洞窟群で、ホーレ・フェルスのヴィーナス(左画像)、ライオンマンなどの彫像や道具類が発見されている。ICOMOSは文化的伝統の優れた例証として登録を勧告した。

●ヘブロン(アル=ハリール旧市街)_パレスチナ_Hebron/Al-Khalil Old Town_ Palestine

Hebron/Al-Khalil Old Town_ Palestine | 松田光一の世界遺産アート

N31 31 27 E35 6 32_ 2017_ Criteria: (ii)(iv)(vi)_ Property : 20.6 ha_ Buffer zone: 152.2 ha_ Ref: 1565

ヘブロンは「世界最古の都市の一つ」と言われることもある古い町で、旧約聖書ではアブラハム、イサク、ヤコブ、さらにはダビデとも深く結びつく町として描かれ、ユダヤ教にとってもイスラームにとっても聖地となっている。パレスチナの世界遺産はすでに2件あるが、いずれも緊急案件での登録であった。本件が認められれば、3件連続で緊急案件での登録となる。なお、「ヘブロン」はこの町のヘブライ語名、「アル=ハリール」はアラビア語名だが、上記のフランス語推薦名では、「ヘブロン」は明らかに「アル=ハリール」全体ではなくその旧市街に対応する名称として扱われている。ICOMOSは2017年6月26日付で勧告を出したが、現地調査していないことから、顕著な普遍的価値の証明も、緊急案件として審議されるべき差し迫った状況なのかも確定が出来ないとして、通例の4段階の勧告を出さなかった。しかし、逆転で登録され、危機遺産に同時登録された。イスラエルは、この決定に反発した。

●アフマダーバードの歴史都市_ インド_Historic City of Ahmadabad_ India

アフマダーバードの歴史都市_ インド_Historic City of Ahmadabad_ India | 松田光一の世界遺産アート

N23 1 35 E72 35 17_ 2017_ Criteria: (ii)(v)_ Property : 535.7 ha_ Buffer zone: 395 ha_ Ref: 1551

アフマダーバードはヒンドゥー教、ジャイナ教、イスラームの異文化が共存するとともに、かつて「インドのマンチェスター」の異名をとった綿工業都市である。その工業労働者の急速な流入は、ポル (Pol) と呼ばれる独特の集合住宅地を生み出した。ICOMOSは、このポルに関連する要素などに重点を置いて推薦書を練り直せば、価値を認めうることを示しつつ、「登録延期」を勧告した。

●ヤズドの歴史都市_ イラン_ Historic City of Yazd_ Iran (Islamic Republic of)

ヤズドの歴史都市_ イラン_ Historic City of Yazd_ Iran (Islamic Republic of) | 松田光一の世界遺産アート

2017_ Criteria: (iii)(v)_ Property : 195.67 ha_ Buffer zone: 665.93 ha_ Ref: 1544

ヤズドはヤズド州の州都で、古来、交易上の要衝に位置した。砂漠気候で夏は40度を越える一方、冬は氷点下になる。イランは多角的側面から推薦したが、諮問機関であるICOMOSは、むしろヤズドの砂漠気候に適応した建築様式の発達という側面に絞って練り直すことを勧告した。

●南西グリーンランドの亜北極農業景観_ デンマーク、グリーンランド_ Kujataa Greenland: Norse and Inuit Farming at the Edge of the Ice Cap_ Denmark

南西グリーンランドの亜北極農業景観_ デンマーク、グリーンランド_ Kujataa Greenland: Norse and Inuit Farming at the Edge of the Ice Cap_ Denmark | 松田光一の世界遺産アート

2017_ Criteria: (v)_ Property : 34.892 ha_ Ref: 1536

ICOMOSの助言を踏まえ、正式勧告前に「南西グリーンランド氷帽周縁部でのノース人とイヌイットの営農地域」と改名されている。推薦名に使われているKujataa について、ICOMOSの勧告書では、「南西グリーンランドの、ノース人に東植民地(Eystribyggð) として知られていた地域の現代グリーンランド語名」と説明されている。かつてノース人たちが入植し、放棄した集落跡、および現代まで続くイヌイットたちの農牧業と結びつくクヤレックの文化的景観を対象とする。ICOMOSはその顕著な普遍的価値を認めつつも、土地利用の許諾情況が明瞭でないことなどを挙げ、「情報照会」を勧告した。

●歴史的共同租界、鼓浪嶼_ 中華人民共和国_ Kulangsu: a Historic International Settlement_ China

N24 26 51 E118 3 43_ 2017_ Criteria: (ii)(iv)_ Property : 316.2 ha_ Buffer zone: 886 ha_ Ref: 1541

廈門市(アモイ)の鼓浪嶼(ころうしょ)には20世紀初頭に万国共同租界が置かれ、中国、東南アジア、ヨーロッパの建築様式が混ざり合っただけでなく、アモイ・デコ様式 (Amoy Deco Style) 発祥の地として、それを体現した優れた建築物群が残る。ICOMOSはそうした点を評価し、登録を勧告した。 ●ンバンザ=コンゴの歴史地区_ アンゴラ

Mbanza Kongo, Vestiges of the Capital of the former Kingdom of Kongo_ Angola

ンバンザ=コンゴの歴史地区_ アンゴラ  Mbanza Kongo, Vestiges of the Capital of the former Kingdom of Kongo_ Angola | 松田光一の世界遺産アート

S6 16 8 E14 14 59_ 2017_ Criteria: (iii)(iv)(vi)_ Property : 89.29 ha_ Buffer zone: 622.16 ha_ Ref: 1511

正式な勧告が出る前にICOMOSとのやり取りを踏まえ、推薦名が「旧コンゴ王国首都の残影ンバンザ=コンゴ」[原語 4]に変更された。その新しい推薦名が示すように、ンバンザ=コンゴはコンゴ王国の首都だった都市で、サハラ以南アフリカの王国の伝統やヨーロッパ人との交流の歴史をとどめていることなどから、ICOMOSは登録を勧告した。登録名は変更後の名称がそのまま採用された。

●「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群_ 日本_Sacred Island of Okinoshima and Associated Sites in the Munakata Region_ Japan

「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群

2017_ Criteria: (ii)(iii)_ Property : 98.93 ha_ Buffer zone: 79,363.48 ha_ Ref: 1535

沖ノ島は「海の正倉院」とも呼ばれる多彩な出土品を擁する祭祀遺跡を持つ島で、いまなお宗像大社の神域である。推薦は沖ノ島のほか宗像市・福津市内の関連資産も含んでいたが、ICOMOSは沖ノ島と近隣3岩礁のみに対し「登録」を勧告し、名称を「『神宿る島』沖ノ島」とすべきことも求めた。しかし、逆転で全件の登録が認められ、名称も推薦時のままだった。

●タプタプアテア_ フランス、フランス領ポリネシア Taputapuātea_ France

●タプタプアテア_ フランス、フランス領ポリネシア_ Taputapuātea_  France  | 松田光一の世界遺産アート

S16 50 29.04 W151 22 20.56_ 2017_ Criteria: (iii)(iv)(vi)_ Property : 2,124 ha_ Buffer zone: 3,363 ha_ Ref: 1529

ライアテア島に残るタプタプアテアのマラエはオロ神 ('Oro) を祭った聖地である。最盛期にはルルツ島、トンガ、クック諸島、ニュージーランド等からの使節も迎え、ポリネシア最大・最重要と目されるマラエの遺跡である。フランスの海外県・海外領土ではニューカレドニアの礁湖(2008年)とレユニオン島の尖峰群、圏谷群および絶壁群(2010年)に続き3件目の世界遺産であり、文化遺産では初となった。 ●タルノフスキェ・グルィの鉛・銀・亜鉛鉱山とその地下水利システム_ ポーランド Tarnowskie Góry Lead-Silver-Zinc Mine and its Underground Water Management System_ Poland

タルノフスキェ・グルィの鉛・銀・亜鉛鉱山とその地下水利システム_ ポーランド Tarnowskie Góry Lead-Silver-Zinc Mine and its Underground Water Management System_ Poland | 松田光一の世界遺産アート

N50 26 33.71 E18 51 4.42_ 2017_ Criteria: (i)(ii)(iv)_ Property : 1,672.76 ha_ Buffer zone: 2,774.35 ha_ Ref: 1539

タルノフスキェ・グルィの鉱山及びその給排水システムは、15世紀以降に形成されたポーランド最大級のものである。しかし、ICOMOSは価値の証明自体が不十分として、力点の置き方や推薦範囲を再考すべきことを勧告した。

●古代イシャナプラの文化的景観を代表するサンボー・プレイ・クック(英語版)考古遺跡_ カンボジア

Temple Zone of Sambor Prei Kuk, Archaeological Site of Ancient Ishanapura_ Cambodia

古代イシャナプラの文化的景観を代表するサンボー・プレイ・クック(英語版)考古遺跡_ カンボジア_Temple Zone of Sambor Prei Kuk, Archaeological Site of Ancient Ishanapura_ Cambodia | 松田光一の世界遺産アート

N12 52 21 E105 2 10_ 2017_ Criteria: (ii)(iii)(vi)_ Ref: 1532

正式な勧告が出る前に、推薦名が「古代イシャナプラのサンボー・プレイ・クック考古遺跡」へと変更された。サンボー・プレイ・クックは、7世紀前半に真臘王イシャーナヴァルマン1世が建造した都イシャナプラの遺跡である。ICOMOSは都市遺跡の全体については証明不足としたものの、寺院に絞ればその価値は認められるとし、全体の価値証明を深化させるか、寺院に絞って登録するかのいずれかの方向で再考すべきことを勧告した。逆転登録に際し、登録名は「古代イシャナプラの考古遺跡サンボー・プレイ・クックの寺院地区」となった。 ●イングランドの湖水地方_ イギリス_The English Lake District_ United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland

イングランドの湖水地方_ イギリス_The English Lake District_ United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland | 松田光一の世界遺産アート

N54 28 35.8 W3 4 56.7_ 2017_ Criteria: (ii)(v)(vi)_ Property : 229,205.19 ha_ Ref: 422rev

湖水地方はイングランド最高峰のスコーフェル山のほか、16の自然湖を擁し、イングランドで「最も愛されている景色」という評もある。その景色は湖水詩人らの創作も刺激した。湖水地方は第11回世界遺産委員会で複合遺産として審議されたときには見送られ、文化遺産として推薦された第14回世界遺産委員会では、適用する基準などをめぐって委員会審議がまとまらずに見送られた。本件は新たに文化的景観として推薦されたものであり、ICOMOSは登録を勧告した。

●ヴァロンゴ埠頭の考古遺跡_ ブラジル_Valongo Wharf Archaeological Site_ Brazil

ヴァロンゴ埠頭の考古遺跡_ ブラジル_Valongo Wharf Archaeological Site_ Brazil | 松田光一の世界遺産アート

S22 53 49.6 W43 11 14.62_ 2017_ Criteria: (vi)_ Property : 0.3895 ha_ Buffer zone: 41.6981 ha_ Ref: 1548

ヴァロンゴ埠頭はリオデジャネイロにある1811年建設の港湾施設の遺跡で、大西洋奴隷貿易末期に黒人奴隷を受け入れる場所として整備された。ICOMOSはその歴史的意義を認め、基準 (6) のみでの登録を勧告した(基準 (6) のみでの登録は例外的なもので、しばしば負の世界遺産とされる物件に見られる)。

●15世紀から17世紀のヴェネツィア共和国防衛施設群_ イタリア、クロアチア、モンテネグロ

Venetian Works of Defence between 15th and 17th centuries: Stato da Terra – western Stato da Mar_ Croatia, Italy, Montenegro

15世紀から17世紀のヴェネツィア共和国防衛施設群_ イタリア、クロアチア、モンテネグロ Venetian Works of Defence between 15th and 17th centuries: Stato da Terra – western Stato da Mar_ Croatia,  Italy,  Montenegro | 松田光一の世界遺産アート

2017_ Criteria: (iii)(iv)_ Property : 378.37 ha_ Buffer zone: 1,749.62 ha_ Ref: 1533

これはヴェネツィア共和国時代の防衛施設3か国15件を推薦した物件だが、うち9件は世界遺産「ヴェネツィアとその潟」「スタリー・グラード平原」「シベニクの聖ヤコブ大聖堂」「コトルの自然と文化歴史地域」に含まれている要素と重なる。ICOMOSは15件中6件のみに顕著な普遍的価値を認め、その名称を「16・17世紀のヴェネツィア共和国防衛施設群 : スタート・ダ・テーラと西スタート・ダ・マール」として登録することを勧告した。登録名は結局、「15世紀から17世紀のヴェネツィア共和国防衛施設群 : スタート・ダ・テーラと西スタート・ダ・マール」となった。

●コマニの文化的景観_ 南アフリカ共和国_ǂKhomani Cultural Landscape_ South Africa

コマニの文化的景観_ 南アフリカ共和国_ǂKhomani Cultural Landscape_ South Africa | 松田光一の世界遺産アート

S25 41 15.4 E20 22 28.5_ 2017_ Criteria: (iii)(iv)(v)(vi)_ Property : 959,100 ha_ Ref: 1545

北ケープ州のカラハリ・ゲムズボック国立公園(ドイツ語版)と重なる地域で、石器時代以来のサン人の歴史と結びつく文化的景観が対象となっている。ICOMOSは価値の証明自体がされていないとして、価値の力点や設定範囲などを再考すべきことを勧告した。しかし、逆転での登録を果たした。

ーー自然遺産(3ヶ所)ーー

●ダウリヤの景観群_ ロシア、モンゴル_Landscapes of Dauria_ Russian Federation, Mongolia

ダウリヤの景観群_ ロシア、モンゴル_Landscapes of Dauria_ Russian Federation, Mongolia | 松田光一の世界遺産アート

2017_ Criteria: (ix)(x)_ Property : 912,624 ha_ Buffer zone: 307,317 ha_ Ref: 1448rev

この物件はロシアのダウルスキー自然保護区を含む2か国4件の地域を対象としている。第39回世界遺産委員会で情報照会決議となった(諮問機関は登録延期を勧告していた)物件の再推薦であり、今回は「登録」が勧告された。

●ロス・アレルセス国立公園_ アルゼンチン_Los Alerces National Park_ Argentina

ロス・アレルセス国立公園_ アルゼンチン_Los Alerces National Park_ Argentina | 松田光一の世界遺産アート

S42 51 10.08 W71 52 22.08_ 2017_ Criteria: (vii)(x)_ Property : 188,379 ha_ Buffer zone: 207,313 ha_ Ref: 1526

「ロス・アレルセス国立公園」はチュブ州の自然保護区だが、この呼び方には広義と狭義があり、この場合は同名の国立公園だけでなくロス・アレルセス自然保護区も含めた意味で使われている。IUCNからはパタゴニアの森林などの自然美と生物多様性を評価され、登録を勧告された。

●青海可可西里_ 中華人民共和国_Qinghai Hoh Xil_ China

​青海可可西里_ 中華人民共和国_Qinghai Hoh Xil_ China | 松田光一の世界遺産アート

N35 22 49 E92 26 21_ 2017_ Criteria: (vii)(x)_ Property : 3,735,632 ha_ Buffer zone: 2,290,904 ha_ Ref: 1540

チベット高原の一角を占める広大な自然保護区で、青海可可西里国家級自然保護区(中国語版)や三江源国家級自然保護区(英語版)に属する地域などを対象とする。IUCNからは自然美と生物多様性の点で評価され、登録を勧告された。登録を果たしたが、インターナショナル・キャンペーン・フォー・チベットは、チベット系遊牧民らに対する抑圧強化の材料となることへの懸念を示した。

ーー範囲拡張など(4ヶ所)ーー

●ストラスブール : グラン・ディルからノイシュタットまでの欧州都市の一風景(「ストラスブールのグラン・ディル」の拡大)_ フランス_Strasbourg: from Grande-île to Neustadt, a European urban scene_ France

N48 35 4 E7 44 56_ 1988_ 2017_ 拡張_ Criteria: (ii)(iv)_ Property : 183 ha_ Buffer zone: 708 ha_ Ref: 495bis

ドイツ語で「新市街」を意味するノイシュタットはストラスブールがドイツ領だった普仏戦争から第一次世界大戦までの時期に形成された地区である。ICOMOSはノイシュタットの拡大が基準 (2) と (4) の強化に寄与するが基準 (1) には該当しないとし、基準 (1) の適用を解除した上での拡大承認を勧告した。

●ゲラティ修道院(「バグラティ大聖堂とゲラティ修道院」の重要な範囲縮減)_ ジョージア_Gelati Monastery_ Georgia

N42 17 41 E42 46 6_ 1994_ 2017_ 拡張_ Criteria: (iv)_ Property : 4.2 ha_ Buffer zone: 1,246 ha_ Ref: 710bis

「バグラティ大聖堂とゲラティ修道院」(1994年登録)は、バグラティ大聖堂の大規模な改築計画を理由に2010年に危機遺産リストに記載されていた。しかし、その改築が断行されたことから、世界遺産としての価値の証明に寄与しないと判断されたバグラティ大聖堂を世界遺産リストから外す提案である。第39回世界遺産委員会では、当初の登録理由である中世グルジア建築の優れた例としての価値は、ゲラティ単独でも証明可能と判断されたが、管理計画などの面から「情報照会」決議となった。今回はその再提案であり、「承認」が勧告された。縮減によって危機遺産登録理由がなくなったので、同リストから外れた。

ヴァイマル、デッサウ及びベルナウのバウハウスとその関連遺産群(「ヴァイマルとデッサウのバウハウスとその関連遺産群」の拡大)_ ドイツ_ Bauhaus and its Sites in Weimar, Dessau and Bernau_ Germany_ 1996_ 2017_ 拡張_ Criteria: (ii)(iv)(vi)_ Property : 4.4114 ha_ Buffer zone: 42.27 ha_ Ref: 729bis_ バウハウスの関連遺産のうち、デッサウの5件、ベルナウ(ベルナウ・バイ・ベルリン)の1件の構成資産を追加する申請である[61]。ICOMOSからは従来の価値を強化する申請として「承認」が勧告されたが、世界遺産センターからは1か国の推薦件数の上限[注釈 6]を超えていると指摘されている。

●W=アルリ=パンジャリ自然公園群(「ニジェールのW国立公園」の拡大)_ ベナン、ブルキナファソ_W-Arly-Pendjari Complex_ Benin, Burkina Faso Niger N11 53 3 E2 29 16_ 1996_ 2017_ 拡張_ Criteria: (ix)(x)_ Property : 1,494,831 ha_ Buffer zone: 1,101,221 ha_ Ref: 749bis

W国立公園はニジェール、ベナン、ブルキナファソにまたがる自然保護区で、ニジェール部分だけが先行して登録されたが、それ自体が委員会ではかなり紛糾した上での登録だった。パンジャリ国立公園(英語版)はベナン単独推薦[注釈 1]として2002年の第26回世界遺産委員会で、また、ニジェールのW国立公園の拡大案件として2011年の第35回世界遺産委員会で、それぞれ登録を見送られた。今回はブルキナファソのアルリ国立公園(英語版)も含めた申請である。ベナン、ブルキナファソにとっては初の自然遺産となった。

●カルパティア山脈などの欧州各地のブナ原生林群(「カルパティア山脈のブナ原生林とドイツの古代ブナ林」の拡大)_ アルバニア,イタリア、ウクライナ、オーストリア、クロアチア、スペイン、スロバキア、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ルーマニア_Primeval Beech Forests of the Carpathians and Other Regions of Europe_ Albania Austria Belgium Bulgaria Croatia Germany Italy Poland Romania Slovakia Slovenia Spain Ukraine

2007 2011_ 2017_ 拡張_ Criteria: (ix)_ Property : 58,353.04 ha_ Buffer zone: 191,413.09 ha_ Ref: 1133ter

当初はスロバキアとウクライナの世界遺産だったが、その時点からさらなる拡大への期待が示されていた。2011年にドイツに拡大されたが、今回はさらに9か国を加えた拡大である(ただし、ポーランドは推薦書提出後に離脱)。IUCNは保護のための国際協力自体は評価しつつも、既登録部分の適用理由である基準 (9) の強化としては構成資産の選定が不適切とした。しかし、逆転で登録が認められ、シュトルーヴェの測地弧(10か国)を上回る、最も多くの国境を越える世界遺産となった。

※引用:wikipedia

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